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インタビュー No.5 訪問リハビリ 須田さん

今回、男性職員で育児休暇を取得されたということで、訪問リハビリステーションくるみの須田さんにインタビューにご協力いただきました。男性職員での育児休暇取得はまだまだ広まっていない現状があると思います。プライベートなこともあると思いますが、快くご協力いただきました。今後の参考になればと思います。

大沼

  早速ですが、誕生されたのは初めてのお子さんですか?もし御兄弟がいらっしゃればおいくつ位ですか?

須田さん

  今回、次女が誕生しました。
  長女は次女誕生時、3歳10ヶ月です。

大沼

  今回、育児休暇を取得されたとの事ですが、いつ頃、どんな風に取得について考えはじめましたか?きっかけなどはありましたか?ご家庭でも育児休暇の取得についてお話されましたか?(ご自身から取得に関して積極的でしたか?)

須田さん

  妻の妊娠が判明してから、自分自身の頭の片隅で考えていました。
  夫婦間で話し合ったのは、安定期を過ぎてからだったと思います。きっかけは小泉議員の育児休暇取得のニュースを聞き、男性でも育児休暇取得を考えなければならないと思ったことです。もう一つは長女もいるため、妻一人で二人の子供の面倒をみることは大変だと思ったからです。

大沼

  職場内でどなたかに相談はされましたか?取得を考えてから実際に休暇取得までの流れをお聞かせください。
  取得に迷いはなかったですか?

須田さん

  妻の安定期前までは管理者(狩谷さん)に相談しました。自身で担当している利用者様の代行など、他のスタッフの方々の負担となってしまうことは申し訳ないと思っていましたが、スタッフの方々にも背中を押してもらい、取得させていただくことになりました。

大沼

  取得期間はどれくらいの期間で、どんな風に過ごされていましたか?

須田さん

  期間は2か月間取得しました。
  幸いにも育児休暇開始日に妻の陣痛が始まったので、初日から退院までは主に長女の世話をしていました。退院してから暫くは、家事全般を担当していました。

大沼

  実際に育児休暇を取得し、感じた事はありますか?
  また休暇を取るにあたり、難しいなと感じたことはありますか?

須田さん

  新生児期は主に母親が育児を担うため、他の家事をすることで妻の負担軽減になったこと、子供の成長を常に近くで見守れたことは良い点だったと思います。
  仕事に行っている時の生活リズムとは違い、起床・就寝時間もバラバラになりやすく、復帰した際に今までの生活リズムを取り戻せるかとういう不安がありました。また、夫婦そろっての休暇取得になるので金銭面での不安は常にありました。

大沼

  普段から家事や育児には積極的に参加されるほうですか?
  育児休暇期間を過ごされて、今までと考え方が変わったことなどありますか?
 (育児、家事で大変だったこと。気づいたことなどあれば…)

須田さん

  普段から比較的、家事や育児には参加する方だと思っています。
  育児休暇を取得し、産後すぐの女性は体力・精神共に疲労しているため、家事の面では、より一層男性側が担う事が必要だと思いました。

大沼

  須田さんの周りで(法人以外でも構いません)今まで育児休暇を取得した方はいらっしゃいますか?最近育児休暇を取得される男性が増えていると感じますか?

須田さん

  友人でも、前職のスタッフでも男性で育児休暇を取得している人はいません。
  残念ながら、まだまだ男性の育児休暇取得が増えているとは感じられません。

大沼

  休暇中は須田さんの担当していた方の割り振りなどはどうなっていましたか?
  休暇終了後、業務は今までと変わらないですか?

須田さん

  担当の利用者様は他のスタッフの方々が代診してくれていました。復帰後に再度担当させてもらっている利用者様もいますし、他のスタッフから変更になった利用者様もいらっしゃいます。

大沼

  最後にもしまた育児休暇を取得する機会があったら取得しようと思いますか?
  またこれから育児休暇を取得したいと考えている方へアドバイスなどありましたら、お聞かせください。

須田さん

  可能であれば取得したいと思います。当然のことですが、育児・家事は夫婦で協力して行うものなので休暇を取る事でお互いの負担を分け合う事ができるなら、夫婦が共に育児休暇を取得するべきだと思います。
  周りのスタッフのご理解やご協力への感謝を忘れずに、休暇中は家族のために出来る事を全力でやってあげてください。
  終わりに、この度育児休暇を取得するにあたり、訪問リハビリのスタッフの方々をはじめ、色々な方にご協力いただき改めてありがとうございました。

大沼

  須田さん、育児休暇取得にあたり貴重な体験談をお聞かせいただき、ありがとうございました。正直私の周りにも男性で育児休暇を取得した方があまりいなかったので、これから多くの職員が積極的に育児休暇を取得できればと感じました。

また今回は訪問リハビリステーションくるみで一緒に働くスタッフの方々にもお話を伺いました。

大沼

  須田さんから育児休暇取得に際して、相談などはありましたか?

スタッフ

  2,3ヶ月前に朝のミーティングで取得の報告がありました。

大沼

  女性スタッフの方に伺います。
  もしご自身が出産する際、ご主人には育児休暇を取得して欲しいですか?(取得して欲しかったですか?)

女性スタッフ(6名)

  意見はそれぞれでした。
  取得しなくて良い:自分のペースで家事・育児をしたい。
  取得して欲しい :退院後2週間~1ヶ月は家事をしてほしい。新生児を連れての買い物が大変。
           昼間に睡眠を取っておきたい。
           仕事復帰後に2週間ほど育児休暇を取って欲しい。(自分の仕事のリズムをつけたい)
           どちらとも言えない…取得して欲しいが昼食の準備などしなくてはならないので、負担になることもある。

大沼

  やはり男性側の協力次第ですね。
  須田さんのように育児や家事に対して積極的に協力してくれるならば、育児休暇を取得して欲しいと思いますね。
  須田さんが育児休暇取得中に困ったことや、業務を行う上で工夫をしたことなどありましたらお聞かせください。

スタッフ

  育児休暇取得前に申し送りをしました。育児休暇中に不明な点があった時はメールやLINEでやりとりしました。

大沼

  では最後に管理者の狩谷さんにもお話をお聞きしたいと思います。
  須田さんの育児休暇取得に際し、ご感想をお聞かせください。

狩谷さん

  男性の育児休暇取得について各報道では理解していましたが、実際には馴染みがなく、相談を受けた時にどのくらいの期間になるのか、周囲の理解は得られるのか等、不安もありました。
  実際には須田さんが詳細な引継ぎを行い、関係各所への連絡を滞りなく行ったことによりスムーズに育児休暇を取得できたかと思います。
  また、他スタッフにおいても現実的には業務量が増える事にもなるにも関わらず、不平不満を言う事なく笑顔で訪問している姿はとても頼もしく、誇らしく思えました。
  私自身、自らの生活が充実していなければ利用者様のQOL向上を支援できないと考えています。そのため、今後さらに充実されるであろう育児、介護休暇等、各制度の利用推進、取得しやすい職場環境作りに努めていきます。

大沼

  皆さん、今回はご協力ありがとうございました。
  博滇会でも男性の育児休暇取得がしやすい環境が整っていけばいいなと思います。

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